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健康的に食べて痩せるダイエットとは?

happiponpono

科学が示す「ちゃんと食べて、ちゃんと続く」減量の正解


「痩せたいけど、もう無理なダイエットはしたくない」

  • 食事制限で一時的に体重は落ちた
  • でも、気づけば元通り
  • しかも前より疲れやすく、筋肉も落ちた気がする

こうした経験、実はとても“普通”です。

ダイエットがうまくいかない理由は、
意志が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。

多くの場合、
👉 身体の仕組みに合わないやり方を選んでしまっている
ただそれだけです。

医学・栄養学の分野ではすでに、

「健康的に痩せる=体脂肪を減らしながら、筋肉・代謝・生活の質を守ること」

という考え方が主流になっています。

この記事では、
「食べながら痩せるなんて本当に可能なの?」という疑問に対して、
科学的根拠をもとに、でも難しすぎず・楽しく
解説していきます。


まず結論:体脂肪は“魔法の食事”では減らない

最初に、ちょっとだけ現実的な話をします。

どんな食事法であっても、
体脂肪が減るとき、必ずエネルギー収支はマイナスになっています。

これは、

  • 低糖質ダイエット
  • 低脂質ダイエット
  • 地中海食
  • プラントベース食

などを比較した多数の研究で、一貫して確認されている事実です[1,2]。

ただし、ここで重要なのが次の一文。

「同じカロリーでも、身体の反応は同じではない」

これが「健康的に食べて痩せる」ダイエットの核心です。


「何を食べるか」は、体重より“続きやすさ”と健康に効く

複数のメタ解析では、
主要な食事法(低脂質・低糖質・地中海食など)は、
6〜12か月後の体重減少量に大きな差が出にくいことが示されています[1,3]。

つまり、

  • 糖質を減らしたから痩せた
  • 脂質を減らしたから痩せた

というよりも、

👉 「無理なく続けられて、結果的に食べ過ぎなかった」

これが成功の正体です。

健康面で評価が高い食事パターン

科学的に評価が安定して高いのは、次のような特徴を持つ食事です。

  • 野菜・果物・豆類・全粒穀物が多い
  • 魚・ナッツ・オリーブオイルなどの脂質を適量含む
  • 砂糖・超加工食品が少ない

いわゆる地中海食パターンは、
体重減少そのものよりも、
心血管疾患・2型糖尿病リスクの低下という点で一貫した効果が報告されています[4,5]。


タンパク質は「痩せるための味方」

ダイエット中にタンパク質が重要と言われるのは、気合論ではありません。

なぜタンパク質が効くのか?

レビュー論文では、タンパク質が減量に有利な理由として、次が挙げられています。

  • 満腹感が高い(自然に食事量が減る)
  • 筋肉量を維持しやすい(代謝低下を防ぐ)
  • 食事誘発性熱産生が高い(消費エネルギーがわずかに増える)

メタ解析では、
高タンパク食は、同じエネルギー条件でも脂肪量の減少と除脂肪体重の維持に有利と報告されています[6]。

どれくらい摂ればいい?

多くのレビューを総合すると、
体重1kgあたり1.2〜1.6g/日程度が、
減量期の筋肉維持に有効な目安とされています[6,7]。

例:体重60kgの方
→ 約72〜96g/日

「プロテインを飲むかどうか」より、
1日の合計量が足りているかをまず確認しましょう。


「食べて痩せる」人が自然にやっている工夫

エネルギー密度を下げる

健康的に痩せている人の食事に共通するのが、
エネルギー密度の低さです。

  • 野菜
  • きのこ
  • 海藻
  • スープ

これらは「量が多く見えて、カロリーは低い」代表選手。

レビュー論文でも、
エネルギー密度の低い食事は、満腹感を保ちながら体重減少を助けると整理されています[8]。

食事を抜かない

「朝を抜けば痩せる」と思われがちですが、
観察研究では、

食事を抜く人ほど、その後の食事で摂取量が増えやすい

ことが示されています[9]。

我慢ではなく、
リズムを整えることが、長期的には近道です。


運動は「体重を落とす」より「体重を保つ」ために効く

ダイエット研究でほぼ一致している重要なポイントがあります。

  • 体重を減らす初期段階 → 食事の影響が大きい
  • 減った体重を維持する段階 → 運動の影響が非常に大きい

長期追跡研究では、
体重維持に成功している人ほど、身体活動量が高いことが示されています[10]。

健康的ダイエットにおける運動の役割

  • 筋肉量の維持
  • 基礎代謝低下の抑制
  • 血糖・血圧・脂質の改善
  • メンタル安定・ストレス軽減

特に、
筋力トレーニング+有酸素運動の組み合わせは、
体脂肪を減らしながら健康指標を改善する戦略として評価が高いです[11]。


ダイエットが失敗しやすい“科学的に多い理由”

レビュー論文や臨床現場でよく見られる失敗要因です。

  • 摂取カロリーを下げすぎて活動量が落ちる
  • タンパク質不足で筋肉が減る
  • 運動を短期イベントにしてしまう
  • 体重だけを見て体組成を見ていない
  • 睡眠・ストレスを軽視している

これは性格の問題ではなく、設計の問題です。


Medical Fitness PONOが考える「健康的に食べて痩せる」

PONOでは、ダイエットを次の3点セットで考えます。

  • 食事:極端に制限せず、量と質を整える
  • 運動:筋肉を守り、有酸素で代謝を回す
  • 生活:睡眠・ストレス・体調を含めて設計する

特に、糖尿病・高血圧・腰痛・膝痛を抱える方にとって、
「痩せること」と「身体を壊さないこと」は同時に達成すべき目標です。


まとめ:健康的に痩せるダイエットは、いちばん科学的

  • 体脂肪はエネルギー収支で減る
  • しかし、何を食べ、どう動き、どう休むかで結果は大きく変わる
  • タンパク質・運動・睡眠は“痩せやすさ”を支える土台
  • 続くダイエットほど、成功率が高い

「頑張らないと痩せない」ではなく、
「ちゃんと整えると、自然に痩せていく」

それが、科学が示すダイエットの正解です。


参考文献

  1. Hall KD, et al. Energy balance and its components. Am J Clin Nutr.
  2. Hall KD, Guo J. Obesity energetics. Am J Clin Nutr.
  3. Johnston BC, et al. Comparison of weight loss among named diet programs. JAMA.
  4. Estruch R, et al. Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet. N Engl J Med.
  5. Schwingshackl L, et al. Adherence to Mediterranean diet and risk of chronic disease. BMJ.
  6. Wycherley TP, et al. High protein diets for weight loss. Am J Clin Nutr.
  7. Phillips SM, et al. Dietary protein for weight management. Nutr Metab.
  8. Rolls BJ, et al. Energy density and body weight regulation. Am J Clin Nutr.
  9. Levitsky DA, et al. Skipping meals and energy intake. Physiol Behav.
  10. Wing RR, Phelan S. Long-term weight loss maintenance. Am J Clin Nutr.
  11. Donnelly JE, et al. Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain. Med Sci Sports Exerc.

ABOUT ME
川口幸穂
川口幸穂
株式会社happipon
代表取締役社長
2019年医師免許取得
父が狭心症でカテーテル治療後に運動療法を続ける場がないことをきっかけに、医師監修の今までにない訪問パーソナルトレーニングを立ち上げました。 medical fitness PONOは全トレーナーが理学療法士による訪問パーソナルトレーニングサービスです。 体力に自身のない方や持病をお持ちの方々向けに医師監修で安全かつ効果的なトレーニングを提供します。 専門家が個別プランを作成し、健康な生活をサポートし、美しい体作りをお手伝いします。 PONOで楽しく健康な未来を手に入れるお手伝いができれば幸いです
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