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その【ふくらはぎのむくみ】放置しないで!〜第二の心臓と足首・股関節の連動メカニズム

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「夕方になると、なんだか足が重くて、パンパンに張ってる…」「靴下の跡がくっきりついちゃうのが気になるのよね。」

そんな風に、ふくらはぎのむくみに悩まされていませんか?多くの方が経験するこの不快な感覚、ついつい「立ち仕事だから仕方ないわ」「水を飲みすぎちゃったかな」なんて、軽く考えてしまいがちですよね。

でも実は、ふくらはぎって、私たちの体にとって「第二の心臓」と呼ばれるくらい、とっても大切な役割を担っているんです。そして、そのむくみの裏側には、足首股関節といった、普段あまり意識しないような関節の動きが、深く関わっていることをご存知でしょうか?

今回は、なぜふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれるのか、そして、むくみが起こる意外なメカニズム、さらに、足首や股関節との密接なつながりについて、理学療法士である私、中條洋輔が、皆さんの目線に立ってじっくり解説していきます。

たかがむくみ、と放置していると、思わぬ体の不調につながってしまう可能性もあるんです。この機会に、ご自身のふくらはぎが発するサインに耳を傾けて、今日からできる対策を一緒に見つけていきましょう。


「第二の心臓」ふくらはぎって、どれだけすごいポンプなの?

私たちの体には、心臓という素晴らしいポンプがあって、全身に血液を送り出してくれていますよね。でも、地球の重力に逆らって、足元まで降りてきた血液を再び心臓まで押し戻すのは、心臓だけの力ではなかなか大変なことなんです。

そこで大活躍するのが、私たちのふくらはぎです。ふくらはぎの筋肉は、私たちが歩いたり、ちょっと足首を動かしたりするたびに、キュッと縮んで、フワッと緩む動きを繰り返しています。この動きが、足の静脈にある「弁(血液の逆流を防ぐ扉のようなもの)」と連携して、まるで手動ポンプのように、血液を上へ上へと押し上げてくれるんです。これを、私たちは「筋ポンプ作用」と呼んでいます。

想像してみてください。もしこのふくらはぎのポンプが、うまく働かなかったらどうでしょう?血液やリンパ液が足元にどんどん溜まってしまって、それがむくみとして現れてしまうわけです。長時間の立ち仕事や、座りっぱなしのデスクワークで足がむくみやすいのは、この大切な筋ポンプ作用が、十分に活用されていないからなんですね。


むくみの真犯人?足首と股関節の「意外な連携プレー」

ふくらはぎの筋ポンプ作用が、むくみ解消に欠かせない、ということはお分かりいただけたかと思います。でも、実はむくみの根本的な原因は、ふくらはぎ単体の問題だけじゃないことが、とても多いんです。なぜなら、私たちの体はすべてつながっていて、足首股関節の動きが、ふくらはぎの働きに大きく影響を与えているからなんです。

足首は、私たちが歩くときに、地面からの衝撃を柔らかく受け止め、スムーズに体重を移動させるための、本当に重要な関節です。もし足首の動きが硬くなってしまうと、ふくらはぎの筋肉が十分に伸び縮みできなくなり、せっかくの筋ポンプ作用が弱まってしまうんです。例えるなら、ポンプのホースが途中でクネッと折れ曲がってしまって、うまく水が送れないようなイメージですね。

さらに、足首の動きが悪くなると、その影響は上にある股関節にも及んでしまいます。股関節は、歩いたり立ち上がったりする時に、体全体のバランスを保つ「かなめ」となる関節。足首の動きが制限されてしまうと、股関節がその不足分を無理に補おうとして、結果的に股関節にも負担がかかり、動きが悪くなることがあるんです。

このように、足首、ふくらはぎ、股関節は、まるで精密な歯車のように、それぞれが連携して動いています。どこか一つでも動きが悪くなってしまうと、その影響はあっという間に全身に波及して、ふくらはぎのむくみだけでなく、膝や腰の痛み、さらには姿勢の歪みにまでつながってしまう可能性もあるんですよ。


今日からできる!ふくらはぎを助ける「足首・股関節ケア」

むくみを根本から改善していくためには、ふくらはぎだけでなく、足首股関節の柔軟性を高めることがとっても大切です。自宅で簡単にできる、優しいケアをいくつかご紹介しますね。ただし、もし痛みを感じるようでしたら、無理はせずすぐに中止して、専門家にご相談ください。

1. 足首のストレッチ

  • 足首くるくる回し: 椅子にゆったり座って、片足を少し持ち上げます。足首を、大きな円を描くようにゆっくりと、内回し・外回しにそれぞれ10回ずつ回してみましょう。足の指で、遠くの壁に大きな円を描くようなイメージで行うと、より効果的です。
  • 足首ゆらゆら運動: かかとを床につけたまま、つま先を天井に向けたり(グーッと引き上げて)、今度は床に向けたり(スーッと伸ばして)を繰り返します。ふくらはぎの筋肉が、心地よく伸び縮みするのを感じてみてください。

2. 股関節のストレッチ

  • ゆったりあぐら座り: 床に座って、あぐらをかくように両足の裏を合わせます。両膝を、ゆっくりと床に近づけるように開いていきます。痛みを感じない範囲で、股関節の付け根あたりがじんわりと伸びるのを感じましょう。呼吸を深く行いながら、リラックスして。
  • 膝抱えストレッチ: 仰向けに寝転んで、片方の膝を両手で抱え込み、ゆっくりと胸に引き寄せます。お尻の筋肉が優しく伸びるのを感じながら、深呼吸を繰り返します。

これらのストレッチは、毎日少しずつでも続けてみることが、とっても大切です。お風呂上がりなど、体がポカポカ温まっている時に行うと、筋肉も伸びやすくて、より効果を実感しやすいですよ。


むくみは体のサイン!見逃さずに専門家へ

ふくらはぎのむくみは、単なる見た目の問題だけではなく、私たちの体が発する「大切なサイン」であることがよくあります。もし、長期間むくみが続いている場合や、片足だけが異常にむくむ、痛みや熱を伴う、皮膚の色が変わるといった症状がある場合は、もしかしたら、もっと深刻な病気が隠れている可能性も考えられます。

そのような場合は、ご自分で判断せずに、必ず医療機関を受診してくださいね。私たち理学療法士は、むくみの原因を、皆さんの姿勢や体の使い方から構造的に分析し、一人ひとりにぴったりの運動療法や、毎日の生活でできるセルフケアの方法を丁寧にお伝えすることができます。どうぞ、お気軽にご相談ください。


まとめ

ふくらはぎは、私たちの全身の血流を力強く支える「第二の心臓」として、本当に大切な役割を担っています。もしそのふくらはぎがむくむとしたら、単にふくらはぎだけの問題ではなく、足首股関節といった、他の関節の動きの悪さが影響していることが、とても多いんです。これらの関節がスムーズに連動して動くことで、ふくらはぎの筋ポンプ作用が最大限に発揮され、つらいむくみもスッキリと改善に向かうはずです。

今回ご紹介した足首や股関節のストレッチは、ご自宅で手軽に始められるセルフケアです。ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてください。きっとむくみが軽くなるだけでなく、全身の巡りが良くなって、心も体ももっと軽やかに、快適な毎日を送れるようになるはずです。

もし「自分のむくみの原因がどこにあるのか分からない」「セルフケアだけではなかなか改善しない」と感じることがありましたら、どうぞ一人で抱え込まずに、いつでも私たち専門家にご相談ください。皆さんの体の悩みに寄り添い、健康で快適な毎日を取り戻すお手伝いを全力でさせていただきます。

ABOUT ME
川口幸穂
川口幸穂
株式会社happipon
代表取締役社長
2019年医師免許取得
父が狭心症でカテーテル治療後に運動療法を続ける場がないことをきっかけに、医師監修の今までにない訪問パーソナルトレーニングを立ち上げました。 medical fitness PONOは全トレーナーが理学療法士による訪問パーソナルトレーニングサービスです。 体力に自身のない方や持病をお持ちの方々向けに医師監修で安全かつ効果的なトレーニングを提供します。 専門家が個別プランを作成し、健康な生活をサポートし、美しい体作りをお手伝いします。 PONOで楽しく健康な未来を手に入れるお手伝いができれば幸いです
2022年、2023年ティラノサウルスレースin有明浜開催。小児医療×地域イベントのコラボレーションを実現。第9回JACEイベントアワード受賞
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