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【座りっぱなし危険!】「座る時間」があなたの体を蝕む?〜理学療法士が教える「座り方改革」と健康寿命

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「あー、今日も一日中座りっぱなしだったな…」

そんな夜、椅子から立ち上がる時にお尻が痛かったり、腰がピキッと音を立てたりしませんか?現代の私たちは、想像以上に長い時間を座って過ごしています。通勤の電車、オフィスのデスク、食事の時間、そして家でのリラックスタイム…気づけば一日の大半を椅子の上で過ごしている人がほとんどでしょう。

「座るなんて楽な姿勢じゃない?」と思うかもしれませんが、実はこれが大きな落とし穴なんです。最新の研究では、座っている時間が長いほど、様々な病気のリスクが高まり、健康寿命を縮めてしまうことが次々と明らかになってきています。

理学療法士として、日々多くの患者さんの体の悩みと向き合ってきた私が、「座りすぎ」が私たちの体に何をもたらすのか、そして今日からできる「座り方改革」について、分かりやすくお話しします。「え、そんなに?」と驚く事実や、すぐに実践できる改善策をたっぷりご紹介しますので、ぜひあなたの座り方を見つめ直すきっかけにしてください。

あなたの「座る時間」は大丈夫?知っておきたい驚愕の事実

朝起きてから夜寝るまで、あなたは何時間座っているか数えたことがありますか?

ある調査によると、日本人の成人の一日の平均座位時間は、なんと7時間以上。これは、睡眠時間を除くと、起きている時間の半分近くを座って過ごしている計算になります。「えっ、そんなに?」と思った方、実際に計算してみると想像以上に多いはずです。

そして、世界中の研究が、この「座りすぎ」が私たちの健康に深刻な影響を与える可能性を明らかにしています。その内容は、正直なところ「まさか!」と思うようなものばかりです。

座りすぎが招く健康リスク

生活習慣病のリスク増加 長時間座っていると、体のエネルギー消費量がガクッと減少し、血糖値や血中脂質が上昇しやすくなります。その結果、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まってしまうのです。

肥満のリスク増加 座っている時間が長いと、脂肪燃焼効率が悪くなり、太りやすい体質になってしまいます。運動不足に加えて、座り続けることで代謝も下がってしまうんです。

心血管疾患のリスク増加 座りすぎは血流を悪化させ、血管の健康を損ないます。その結果、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクが高まることが数多くの研究で報告されています。

がんのリスク増加 これは特に驚きの事実ですが、長時間座位が、特定のがん(大腸がん、子宮がんなど)のリスクを高める可能性も指摘されています。

筋力低下と運動機能の低下 座っている状態では、特に下半身の筋肉がほとんど使われません。これにより筋力低下が進み、将来的に歩行困難や転倒のリスクが高まってしまいます。

腰痛や肩こりの悪化 不適切な座り姿勢は、特定の筋肉や関節に過度な負担をかけ、慢性的な腰痛や肩こりを引き起こしたり、悪化させたりします。

これらの事実は、決して他人事ではありません。毎日何時間も座って過ごしているあなたも、これらのリスクに晒されている可能性があるのです。

なぜ「座りっぱなし」は体に悪い?メカニズムを解説

「座るだけでこんなに体に悪いなんて、なんで?」と疑問に思いませんか?実は、座るという行為が体に与える影響には、明確なメカニズムがあるんです。

座りすぎが体に悪い5つの理由

1. 筋肉活動の激減 座っている状態では、立っている時や歩いている時に比べて、全身の筋肉活動が著しく低下します。特に、下半身の大きな筋肉(太ももやお尻の筋肉)がほとんど使われないため、エネルギー消費量が大幅に減少してしまいます。

2. 血流の悪化 長時間同じ姿勢で座っていると、下半身の血管が圧迫され、血流が悪くなります。これにより、老廃物の排出が滞り、血管内皮細胞の機能低下を招く可能性があります。

3. 代謝の低下 筋肉活動の低下は、全身の代謝を低下させます。脂肪燃焼酵素の活性が低下したり、インスリンの働きが悪くなったりすることも報告されています。

4. 姿勢の悪化 長時間座っていると、疲労や集中力の低下から姿勢が崩れやすくなります。猫背や前かがみの姿勢は、首や肩、腰に大きな負担をかけ、痛みや不調の原因となります。

5. 骨盤の歪み 不適切な座り方や、長時間同じ体勢でいることは、骨盤の歪みを引き起こす可能性があります。骨盤の歪みは、全身のバランスを崩し、様々な体の不調につながります。

このように、「座りっぱなし」は、私たちの体の様々な機能に悪影響を及ぼし、健康を静かに蝕んでいく可能性があるのです。

理学療法士が提言!「座り方改革」5つのステップ

健康寿命を延ばし、座りすぎによるリスクを回避するためには、日々の「座り方」を意識的に変えていく「座り方改革」が必要です。理学療法士の視点から、今日から実践できる5つのステップをご紹介します。

ステップ1:正しい座り姿勢を身につける

まずは基本中の基本、正しい座り姿勢から始めましょう。

椅子の選び方 深すぎず、浅すぎない、背もたれが腰をしっかりサポートしてくれる椅子を選びましょう。「なんとなく座れればいい」という考えは今日で卒業です。

座り方 椅子に深く腰掛け、坐骨(お尻の骨)で体重を支えるように意識します。背筋を自然に伸ばし、頭のてっぺんから糸で引っ張られているようなイメージで姿勢を保ちましょう。

足の位置 足裏全体を床につけ、膝の角度が90度になるように調整します。足が床につかない場合は、足台などを利用しましょう。

モニターの位置 目線の高さにモニターの中心が来るように調整します。首が下向きにならないように注意しましょう。

ステップ2:こまめに立ち上がり、体を動かす

これが最も重要なポイントです。

30分に一度は立ち上がる 同じ姿勢を長時間続けることは、体にとって大きな負担です。スマートフォンのタイマーやパソコンのアラーム機能を活用し、30分に一度は必ず立ち上がり、軽く体を動かしましょう。「忙しくて無理」と思うかもしれませんが、実際にやってみると案外簡単です。

簡単なストレッチ 立ち上がった際に、首や肩を回したり、背伸びをしたりするだけでも効果があります。わずか30秒でも構いません。

オフィスウォーキング 可能であれば、席を立って少し歩き回るようにしましょう。コピー機まで歩く、トイレに立つ、水分補給をするなど、理由はなんでも構いません。

ステップ3:座りながらできる簡単エクササイズを取り入れる

会議中や集中して作業している時でも、こっそりできるエクササイズがあります。

足首のポンプ運動 座ったまま、かかとを上げ下げしたり、つま先を上げ下げしたりする運動は、ふくらはぎの筋肉を刺激し、血流を改善する効果があります。

お尻の引き締め 座ったまま、お尻の筋肉を数秒間キュッと引き締めてから緩める運動を繰り返します。周りの人には全く気づかれません。

体幹を意識した呼吸 深くゆっくりとした腹式呼吸を意識することで、体幹の筋肉が働き、姿勢維持にもつながります。

ステップ4:作業環境を見直す

環境を変えることで、自然と体に良い習慣が身につきます。

スタンディングデスクの導入 可能であれば、スタンディングデスクを導入し、座る時間と立つ時間を交互にすることで、体の負担を軽減できます。最初は1時間のうち15分だけでも構いません。

バランスボールの活用 バランスボールを椅子代わりに使うことで、体幹の筋肉が自然と鍛えられ、姿勢改善にもつながります。ただし、最初は短時間から始め、徐々に慣らしていくようにしましょう。

ステップ5:日々の生活に「動き」を意識的に取り入れる

仕事以外の時間でも、積極的に体を動かす機会を作りましょう。

エレベーターではなく階段を使う 日常生活の中で、少しでも体を動かす機会を増やしましょう。「面倒だな」と思うかもしれませんが、健康への投資だと思って取り組んでみてください。

一駅手前で降りて歩く 通勤時などに、意識して歩く時間を増やすのも良い方法です。朝の爽やかな空気を吸いながら歩くと、一日の始まりがより良いものになります。

家事の合間にストレッチ 洗濯物を干す時や料理中など、ちょっとした時間にストレッチを取り入れましょう。

「座り方改革」で未来の健康を手に入れよう

「座りすぎ」は、私たちの健康寿命を脅かす現代社会の大きな課題です。しかし、日々の「座り方」を少し意識し、工夫することで、そのリスクを大幅に軽減することができます。

今回ご紹介した「座り方改革」の5つのステップは、どれも今日からすぐに実践できる簡単なものばかりです。「全部やらなきゃ」と思わず、まずは一つでも良いので、できることから始めてみませんか?

あなたの未来の健康は、今のあなたの「座り方」にかかっています。理学療法士として、皆さんが健康で活動的な毎日を送れるよう、心から応援しています。

もし、ご自身の座り方について不安がある方や、具体的なアドバイスが必要な方は、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に、あなたらしい「座り方改革」を見つけていきましょう。


この記事が少しでもあなたの健康な毎日のお役に立てれば幸いです。小さな変化から始めて、大きな健康を手に入れてください。

ABOUT ME
川口幸穂
川口幸穂
株式会社happipon
代表取締役社長
2019年医師免許取得
父が狭心症でカテーテル治療後に運動療法を続ける場がないことをきっかけに、医師監修の今までにない訪問パーソナルトレーニングを立ち上げました。 medical fitness PONOは全トレーナーが理学療法士による訪問パーソナルトレーニングサービスです。 体力に自身のない方や持病をお持ちの方々向けに医師監修で安全かつ効果的なトレーニングを提供します。 専門家が個別プランを作成し、健康な生活をサポートし、美しい体作りをお手伝いします。 PONOで楽しく健康な未来を手に入れるお手伝いができれば幸いです
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